まだ夏休みを取らず“夏全開を大満喫”しないまま、気付けば「秋の空」になりつつある。空を見上げると、うろこ雲がダーンと見えているのだ。速攻で駆け抜けていく夏に向けて「もうちょっと待ってくれよ〜」と手を向けても仕方ない。こうしている間にも、地球は確実に公転し、次の季節を連れて来る。
で、「うろこ雲」。「巻積雲(けんせきうん)」という。ウロコみたいに雲片が群れて浮いている雲。呼び方はいろいろある。「鰯雲(いわし雲)」だったり、「さば雲」だったり。その見え方次第だ。なんだったら「豹柄雲」と呼んでもいい。
その浮いている高さに特長がある。上空高く、高度 5 〜 15 kmのあたりに浮いている 。だから基本雲形(十種雲形)の一つ「高積雲(こうせきうん)」とも区別される。「高積雲型うろこ雲」の場合、「まだら雲」「ひつじ雲」「叢雲(むら雲)」とも言う。
ただ、僕の説明順序などで紛らわしいのだけれど、「巻積雲」と「高積雲」は厳密には別物でもある。「高積雲(まだら雲)」は「巻積雲(うろこ雲)」よりも塊、雲片が大きく、はっきりとした白色をしている。判別が難しい。
「巻積雲」と「高積雲」の見分け方としてよく紹介されているのは、
・雲のできる高さ(巻積雲の方が高い)
・一つ一つの雲の大きさ(巻積雲の方が小さい)※天空上での見かけの大きさ(視角度)が1度より小さいものが巻積雲
・雲の薄さ、光の透過具合(巻積雲の方が薄い)※太陽の光が透けるため、影ができない
といったものがある。「まあ、どっちでもいいっしょ!」という人もいる。
wikipedia教授によると、巻積雲はその形状で、「層状雲」「レンズ雲」「塔状雲」「房状雲」に分類されることもある。「温暖前線や熱帯低気圧の接近時には、巻雲の次に現れるため、順番にこの2つの雲がみられると天気の悪化が近づいている」らしい。
「国際式天気図に使用される雲形記号においては、十種雲形の中で唯一、巻積雲を表す記号だけが1種類しかない」。ちなみに“十種雲形”とは、巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、層雲、乱層雲、積雲、積乱雲の10種類のことを指す。
“十種雲形”は1894年、スウェーデンのウプサラで開かれた国際気象会議で決まった。それぞれの雲は、浮かんでいる高さから上層雲、中層雲、下層雲に分けられる。「絹積雲」と書くこともある「巻積雲(うろこ雲)」は、空の高いところにできる上層雲。記号は「cirrocumulus」の英名から「Cc」。
……なんてゆー雲が、8月中旬に浮かんでいるのでございます。
◇おしまい