2012年8月17日金曜日

【気象考(6)】「うろこ雲」編

まだ夏休みを取らず“夏全開を大満喫”しないまま、気付けば「秋の空」になりつつある。空を見上げると、うろこ雲がダーンと見えているのだ。速攻で駆け抜けていく夏に向けて「もうちょっと待ってくれよ〜」と手を向けても仕方ない。こうしている間にも、地球は確実に公転し、次の季節を連れて来る。

で、「うろこ雲」。「巻積雲(けんせきうん)」という。ウロコみたいに雲片が群れて浮いている雲。呼び方はいろいろある。「鰯雲(いわし雲)」だったり、「さば雲」だったり。その見え方次第だ。なんだったら「豹柄雲」と呼んでもいい。

その浮いている高さに特長がある。上空高く、高度 5 〜 15 kmのあたりに浮いている 。だから基本雲形(十種雲形)の一つ「高積雲(こうせきうん)」とも区別される。「高積雲型うろこ雲」の場合、「まだら雲」「ひつじ雲」「叢雲(むら雲)」とも言う。

ただ、僕の説明順序などで紛らわしいのだけれど、「巻積雲」と「高積雲」は厳密には別物でもある。「高積雲(まだら雲)」は「巻積雲(うろこ雲)」よりも塊、雲片が大きく、はっきりとした白色をしている。判別が難しい。

「巻積雲」と「高積雲」の見分け方としてよく紹介されているのは、
・雲のできる高さ(巻積雲の方が高い)
・一つ一つの雲の大きさ(巻積雲の方が小さい)※天空上での見かけの大きさ(視角度)が1度より小さいものが巻積雲
・雲の薄さ、光の透過具合(巻積雲の方が薄い)※太陽の光が透けるため、影ができない
といったものがある。「まあ、どっちでもいいっしょ!」という人もいる。

wikipedia教授によると、巻積雲はその形状で、「層状雲」「レンズ雲」「塔状雲」「房状雲」に分類されることもある。「温暖前線や熱帯低気圧の接近時には、巻雲の次に現れるため、順番にこの2つの雲がみられると天気の悪化が近づいている」らしい。

「国際式天気図に使用される雲形記号においては、十種雲形の中で唯一、巻積雲を表す記号だけが1種類しかない」。ちなみに“十種雲形”とは、巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、層雲、乱層雲、積雲、積乱雲の10種類のことを指す。

“十種雲形”は1894年、スウェーデンのウプサラで開かれた国際気象会議で決まった。それぞれの雲は、浮かんでいる高さから上層雲、中層雲、下層雲に分けられる。「絹積雲」と書くこともある「巻積雲(うろこ雲)」は、空の高いところにできる上層雲。記号は「cirrocumulus」の英名から「Cc」。

……なんてゆー雲が、8月中旬に浮かんでいるのでございます。

◇おしまい

2012年8月13日月曜日

思想家とは何か考2


「思想家とは何か」について思想するなら、まず「思想」について思想しなくてはならない。そう思想する。つまり「考える」とは何か、という問題だ。誰もが知っての通り、「考える」とは脳内現象、器官での神経細胞などの運動と言える。それゆえ僕らが「考える」ことを考える際、やはり脳器官についても考える必要がある。

では「脳」とは何か。僕らの頭蓋骨に収まったこの器官には、千数百億個もの「神経細胞(ニューロン)」がある。「ニューロン」は、神経系を構成する細胞で、情報処理と情報伝達が主な機能、あるいはこの2つの機能に特化した細胞だ。入力刺激(情報)が入ると「活動電位」を発生させ、他の細胞に情報を伝達してくれる。

脳内で意識しなくても勝手に行われている「活動電位」とは、なんらかの刺激に応じて細胞膜に生じる一過性の膜電位の変化のこと。化学用語になるけれど、主に「ナトリウムイオン」と「カリウムイオン」が関係している。これは脳内だけでなく、さらに動物だけでなく、植物でも行われている“変化”という。

もうちょっと「活動電位」について調べてみる。と、結構生命体の奥深さ、面白さを知る。細胞の内と外の間では、「電位差」が常に存在している。電圧の差のこと。僕らそのものを成り立たせる細胞一つ一つに、電位があり、この電位差がなんらかの刺激によって一時的に逆転する。この現象を「活動電位」という。

三省堂の「大辞林」は「活動電位」についてこう解説している。「生体の活動時に神経・筋肉など興奮性組織に発生する膜電位の変化」のこと。「興奮部は静止部に対して負の電位を示し、電流(活動電流)が流れる。動作電位」。……。余計混乱してしまう。でもこの「活動電位」については、僕らは高校生物で習っているはずだ、覚えてないけれど。

まあとにかく、僕らのニューロンたちは、僕らの魂以上に賢くやっているのかも知れない。ニューロンたちは気付かないうちに、今も、この瞬間も、やや理解不能な「活動電位」を繰り広げてくれている。そのお陰で、僕ら自身に情報が蓄積されていく。無意識であろうが、意識していようが。

このニューロンは、ヒトでは小児期に増殖する。神経幹細胞が盛んに分裂して分化することで増えていくのだけれど、やがてそんなに増殖しなくなってしまうようだ、残念なことにも。そして増殖したニューロンは分化が進ませながら、「軸索誘導」によって特定の位置の特定の細胞に「軸索」を伸ばし、シナプスを形成。神経回路を形成していく。

そもそもこのニューロンたち。主に3つの部分に区分けできる。細胞核のある「細胞体」、他の細胞からの入力を受ける「樹状突起」、他の細胞に出力する「軸索」。いまさっき出てきた「軸索」は、他の細胞に出力するものになる。「樹状突起」と「軸索」は両者をまとめて「神経突起」とも言う(by wikipedia先生)。

ではニューロンたちの楽園、「脳」とは何か。解剖学的にまとめると、こんな。「頭蓋内腔の大部分を占める器官」「成人で体重の2%ほど」「つまり1.2~1.6キログラムの質量」がある。「約300億個の神経細胞を含むがそれは脳をなす細胞の1割程度」。「残りの9割はグリア細胞と呼ばれるもの」(by wikipedia先生)。

また脳は、大きく「大脳」「小脳」「脳幹」に分けることができ、「大脳」はさらに「終脳」と「間脳」分けられ……。なんだか話が大きくなり過ぎました。ま、いっか。いや、良くないよね、いやいやいいよ、なんていうせめぎ合いも、僕の脳内で起きている現象です。

そして「思想家」たちは、この脳内現象をフル回転、フル出力していったのですね。逆にこの脳内現象をフル回転、フル出力していった人物たちを、僕らは「思想家」と呼んでいるのかも知れないし、そうでないかも知れないし、なんてゆー“せめぎ合い”@僕の脳ミソ。

◇つづく