2012年8月3日金曜日

【気象考(5)】「気象学」編

「気象学(meteorology)」には、さまざまな分野、細分化されるガクモンがあるようだ。「研究対象は大気中の諸現象」と、ざっくり「気象学」と一括りにできる一方、これをマニアックに分化した学問が発展している。ちょいと調べると、初めて知る学問ばかりで面白い。

たとえば、こんなのがある。「総観気象学」、これは気象観測結果を基に、大気現象の構造を解析または予想する学問。「メソ気象学」、これは雷雨や降水セルなどの中規模現象を解析または予想する学問。

研究対象ごとに分化したものでは、「大気力学(気象力学)」や「大気電気学(気象電気学)」、「大気物理学(気象物理学)」、「気象化学」、「超高層大気物理学」、「衛星気象学」、「水文気象学 」などがある。

このほか、地上から約 1 km までの大気境界層で起こる様々な現象を科学する「境界層気象学」。あるいは、気象が人間や生物に与える影響を研究する「生気象学」といったものもある。さらには実務的ガクモンとして「航空気象学」や「農業気象学」もある。

不可思議で奥深いこの世界、この宇宙。研究対象は様々あるけれど、特殊なガクモンに生涯を費やす方々、研究者たちには恐れ入る。僕はたまたま気象に関心を持っているから、どれも面白そうに思うけど。

ちなみに先に挙げた「大気電気学」、英語では「atmospheric electricity」。電磁気学で「地球磁場」や「雷」、「大気放電」、「大気イオン」など気象学的な現象を対象とした学問のこと。と、wikipedia先生は教えてくれる。

じゃあ「電磁気学(electromagnetism)」って何? と調べると、「物理学の分野の1つであり、電気と磁気に関する現象を扱う学問」という。工学分野では、電気磁気学と呼ばれることもある、とも。

さらには、じゃあ「考察対象となる電磁的現象」って何なのよ? となる。これは「磁石が鉄を引き寄せること」、「摩擦した琥珀が軽い物体を引き寄せること」、「雷や稲妻」などに加え、現在では「全ての現象が電磁的現象として理解できる」らしいから、電磁的現象は無限大にありそうだ。

さらにさらに、と問いは続くことになり、結局「気象学」ってめちゃめちゃ奥深いってことに気付かされる。地球という惑星内の大気現象を研究する自然科学。あるいは大気科学。もしくは地球物理学。

僕はこれらトータルに知り尽くしている、理解し尽くしている人に憧れる。そうした憧憬が、僕をよりいっそう、“なんちゃってガクモン”へと引き寄せるし、僕の書籍購入代を増やしていくんですね。はいそーですか。

◇おしまい

2012年7月30日月曜日

フリーメイソン考【4】

さっそく「フリーメイソン憲章」から。この憲章が「アンダーソン憲章」とされるのは、アンダーソンが憲章を編纂したからだ。1712年、アンダーソンはロンドンの“グランド・ロッジ”のグランドマスター(組織内でとても偉い人)から、「憲章作ってちょ」と依頼された。

そこでアンダーソンは「任せてちょんまげ!」と秘密結社の基盤づくりに燃えました。で、そのアンダーソンさんて誰?てゆーと、スコットランドの牧師さんでした。“牧師”、つまりプロテスタント系。

アンダーソン牧師は、古代フリーメイソンの規約「ゴシック憲章」を基に、草稿づくりを開始。例のデザギュリエおじさんも、これに参加。おじさんは序文執筆を担いました。この“草稿”はほぼそのまま“イキ”で、「フリーメイソン憲章」として出版されたのでございます。

さて、この憲章がどんな影響を与えたのか。ちなみに憲章には、フリーメイソンの歴史や責務、ルールを規定。歴史のはじまりは、つまり地球や宇宙ができたのは、紀元前4004年てことになりました。あらあら。

そんなわけで今年2012年は、フリーメイソン的に示すと「A.L.6016」となります。加えると「A.L.」は「光の年」のラテン語の略。彼らの歴史把握の起点、基点を考慮すると、その世界観は、やはりちょっとアレなのかな?と思ってしまいます。

フリーメイソン憲章が提唱するのは「宗教の多様性」。信仰心があれば「宗教はキリスト教でなくても、おっけー!」とした。だからカトリック総本山のバチカンはフリーメイソンに対し「ざけんなよ!」と激怒したし、「破門カード」を切りまくった。

けどプロテスタントのデザギュリエにとっては、カトリックからの破門は全く怖くなかったんだろーなと思う。このデザキュリエおじさん、1719年に、第三代グランドマスターに就任しました。つまりフリーメイソン最高位になった。

デザキュリエは、1683年フランス生まれ。お父さんは牧師をしていて、だから迫害を受けて英国に一家で船で逃げた。デザキュリエはその後勉強を頑張り、オックスフォード大学に入学、自然科学を研究した。

大学卒業後は、親しくしてたニュートンのコネもあり、ロンドン王立協会の会員となりました。で、気付けば科学大好き青年は、36歳の科学者デザキュリエおじさん。になってました。

考えてみれば、36歳で秘密結社最高位に就いたのはスゴい話しだ。よっぽど才能があったのだろう。1719年、デザキュリエは“会長”として貴族や王立協会会員らを入会させるなどした。そーして「フリーメイソン」のブランド化に成功。やはり組織はそーして創られていく。

カルト宗教はだいたい高学歴信者を創りたがる。教祖の学歴をウリにしてるところもある。もはや日本では貴族とか皆無だから、そんなところに現代的ヒエラルキーの基準を求め、活用したりする。

「近代的フリーメイソン」。フリーメイソンの非キリスト教化。さらにルーツの石工を、切り離した。これにはバチカンだけでなく「古代派」も反発。で分裂。和解をもった1813年まで大分裂時代となる。

そして近代的フリーメイソン、こっちは英国王室から続々と入会者を集め、次第に「王室ならフリーメイソンに入ること」てな具合となるまでになった。こうしてフリーメイソンは知恵者を取り込み、貴種を取り込み、神秘性を高めていったわけですのん。

◇つづく

【気象考(4)】「アメダス」編


「雨です」が訛ると「雨だす」になる?かは別として、「アメダス」のネーミング、センスがない日本官僚が考えたとしたら割と傑作な部類に入ると思う。勝手に官僚のネーミングということにしちゃっているけれど。

天気予報でよく聞く「アメダス」、これは略称「AMeDAS」のこと。正式には「Automated Meteorological Data Acquisition System」と書く。日本語では「地域気象観測システム」。このシステムは日本国内約1300カ所の無人気象観測所で構成されている。

僕の大好きなWikipedia先生のページを見てみたら、なんだぁ! 「アメダス」の由来についての記述がありました。僕はそんな先生がより大好きになっちゃいます。

で、いつものごとく“そのまんまやん”的記述をすると、『「地域気象観測システム」の英語訳が"Automatic Meteorological Data Acquisition System"であった時代にその略称を考えた際、単にAMDASとするのではなく、AMeDAS(雨出す)としたほうがおもしろいとの提案が採用され』たもよう。

そいでもって、『略称を"AMeDAS"、その読みを「アメダス」とすることとなった』という。『後に英語訳が"Automated Meteorological Data Acquisition System"に変更されたが、特に変更の必要は無かったためそのまま使用されている』。へー。

と読んでいたら、こんな文が続く。『このエピソードはあまり知られておらず、「雨です」が訛った「雨だす」にかけたものだ、と言った俗説も一部にある』。……。逆に言うと「ひっかけてないんか!」ってなるけれど。

まあとにかく、僕ら日本人が大変お世話になっている「地域気象観測システム」。天気予報を見聞きするたびに僕は、暴風雨の中でも健気に観測している全国各地の観測所に思いを馳せているのです。

ちなみに、健気な観測システムでは、「降水量」「気温」「日照時間」「風向・風速」で、豪雪地帯では「積雪の深さ」も観測。観測で得られたデータは通信回線で気象庁内の地域気象観測センター(通称アメダスセンター)へ10分ごとに集信。“天気のプロ”によるチェックを経て全国に配信されております。

◇おしまい

フリーメイソン考【3】


「フリーメイソン」か「フリーメーソン」か。これは僕もあいまいに使用してきたのだけれど、この「フリーメイソン考」では“なんとなく”で、「フリーメイソン」の表記で統一している。けれど編集者御用達の「用字用語ブック」「記者ハンドブック」のルールでは、恐らく「メーソン」表記が正しい。

けれど僕は“誰も読んじゃいねーよ”なブログを更新するにあたり、そもそもいい加減な表記しかしていない。ましてや校正なんかもしていないから、後々恥ずかしい目に遭うかも知れない。いや、“誰も読んじゃいねーよ”な限りにおいては、そんなことはなさそうですね。

そこで思うのは、「誰にも知られず」けれど「堂々と活動している」のは、秘密結社に限らない、ということだ。この哲学ブログや僕が勝手に更新し続けているその他ブログもまた、「誰にも知られず」けれど「堂々と活動している」。そして「誰にも知られてはいけない…」。

でも「秘密結社フリーメイソン」と「僕の密かなブログ」の違いは、奥深さとか、関心持たれる度合いとか、結構ある。表向きでは社会貢献もしている「秘密結社フリーメイソン」と、なんら社会的貢献を果たさない「僕の密かなブログ」の差は歴然だし、あらゆる点で比べるのはおこがましくもある。

で、全然脈略ない話からスタートしたのだけれど、今回は「デザギュリエ」について。1717年から始まる近代フリーメイソンの創始者と言われている人物です。オカルト系ほかその手の本では、超重要人物の一人として紹介されています。

とゆーのも、デザギュリエさんが近代フリーメイソンの核であり基盤となっている「フリーメイソン憲章(アンダーソン憲法)」作成に、主導的役割を果たしたから。1723年に完成した同憲章の普及も頑張った。ついでに彼は憲章序文を執筆しております。

ジョン・ デザギュリエ(1683-1744)。「近代フリーメイソン創始者」あるいは「近代思弁的フリーメイソンの父」。フランスでプロテスタントの指導者だった彼は、ユグノー教徒の迫害を逃れて渡英。後にニュートンの弟子になりました。科学者になり、博士になった。

デザギュリエが英国でしたことは、英国でスコットランド由来の「フリーメイソン憲章(アンダーソン憲法)」、これを普及させたことだ、あくまでものフリーメイソン界での活躍話だけれど。この憲法こそが、会員たちに「秘密厳守」を迫らせている。

「ふむふむ、フリーメイソン憲章(アンダーソン憲法)ねぇ」「で、そもそもフリーメイソン憲章って何だ?」となりますね、当然。そして「なぜアンダーソン憲法って呼ばれてるの?」とゆー疑問も出てきます。それらについて、もう今回の主題「デザギュリエ」もまとめて、次回の“情報まとめ”に委ねます。

そうなると「おいおい、本題始まったばかりなのにまじかよー」てなるね。けど、なんだか疲労感によりグダグダな文章になりそうなので、自分自身にごめんちゃい。「今できることは今やる」。「今できないことは今やらない」。こうして僕はまた先延ばし事項を増やしていきます。宿命的に。エントロピーの拡大的に。

◇つづく