2012年7月25日水曜日
フリーメイソン考【2】
フリーメイソン好きなら、当然読んでいるはずの小説が、ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズだ。最新作は『ロスト・シンボル』で、『ダ・ヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』は映画にもなった。その物語にちりばめられた数々の“秘密の暴露”の信憑性は別として、いずれも最高に面白いストーリー構成。筆者の持つネタの量には感動すら覚える。
ラングドン教授シリーズの主人公は、ハーバード大学の「宗教象徴学」の教授という設定。毎回秘密結社に関する事件に巻き込まれつつ、謎に迫り、その専門知識で謎を解いていく。この過程で、読者は「秘密結社」についての知識を学べるし、その蔓延り具合も知ることができるため、まさに「秘密結社入門書」とも言っていい。
前回最後にちょろろと触れた「古の神秘」のキーワードは、米国・首都ワシントンD.C.を舞台にラングドン教授がまたもや活躍する『ロスト・シンボル』に出てくる単語。物語では、「古の神秘」が米国の建国に大きな影響を与えたとする。それは古来より人類が求め続けてきた究極の智恵…。あるいは「失われたことば」…。で、ネタバレしちゃうと、それは聖書のことでしたー。
なるほど、実に面白い“真実”だ。聖書は神からの贈り物。まさに「神秘の言葉」。けれど神でなく人により記述されたものでもある。そして長い長い歴史に埋もれず、むしろ現代であればこそ輝きを増している、不思議な記録とも言える。それゆえ「人類の究極的知恵」や「極上の神秘」の答えを「聖書」という書物に見つけるのもアリだろうと思う。「古の神秘=聖書(笑)」とする人の気持ちも分かるけれども。
知っている人にとっては当たり前のことだけれど、聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」がある。キリスト教では、この両方をくっつけたものを聖書として使用する。ざっくり整理すると、「新約聖書」を信じる人がキリスト教徒で、「旧約聖書」だけを信じる人がユダヤ教。「旧約聖書」はイスラム教においても、「モーセ五書」や「詩篇」といった一部が啓典とされている。
ちなみにイスラム教における「啓典」とは、その唯一神・アッラーから預言者に下された啓示の書物。これは4つある。ムーサー(モーセ)に下された『タウラート』(『モーセ五書』)と、ダーウード(ダビデ)に下された『ザブール』(『詩篇』)、イーサー(イエス)に下された『インジール』(『福音書』)、ムハンマドに下された『クルアーン』(『コーラン』)で、「コーラン」が特に非イスラム教徒に知られた啓典だ。
ということで、『ロスト・シンボル』のネタバレ「古の神秘=聖書(笑)」をしてしまい、聖書について、啓典について触れたところで、いつものよーに“今日のタイピング終了のお時間”となりました。ふぅ。なので「全能の眼」、「デザギュリエ」、「薔薇十字軍」については次回以降でまとめていきまーす!、誰のためでもなく僕自身のために。
◇つづく