2012年7月13日金曜日

「世界陰謀論」考・序


映画やドラマには脚本がある。出演者の涙や笑いは演技だし、“野外”と思える舞台は実はスタジオだったりする。CG合成もある。それら演出や裏側を知っていてなお、僕らは映画やドラマを観て一喜一憂する。

「どーせフィクションだし(笑)」とはならない。なる場合もあるけれど、僕らはあえて、その「フィクション」を楽しむ。楽しめる能力がある、と言った方が良いかも知れない。そこには「フィクション」か「ノンフィクション」かは、あまり関係ない。

僕が大好きな「陰謀論」も、そんなレベルで好み、受け入れ、理解する。「その陰謀が本当だったら、この世界まじスゲー」とか、「やっぱロスチャイルド家が絡んでるのね!さすがー」とか。「なるほど、フリーメイソンが歴史を動かしてた、とするともろもろ納得できるぜ」とか。

「陰謀論」を支持したい気持ちになるのは、なんかゾクゾクしてくるのからでもある。「この世界は、実は○○が支配している」とか。そしてもしそれが真実だとしても、下層階級の庶民には知られることはない。この“知られない仕組み”も、支配者は用意していて、反乱が起きないようになっている。

“知られない仕組み”、つまり“秘密にされていること”。ベールに覆われ、特権階層にしか、特定集団にしか知られない真実。あるいは「極秘」「非公開」。ちょっとスパイの世界にも通じ、だからこそより暴きたくなるし、知りたくなる。情報として。

「この世界は、実は○○が支配している」という説。中にはバカバカしい陰謀論もたくさんある。宇宙人支配者論だとか。けれども「この世界は、実は○○が支配している」の○○が、何かの宗教、神様だったら、また別の話になるのだろうか。

たとえば実はこの世界は、宇宙を含め、ヤハウェが支配している。人間は大仏様の手の内からは逃れられない。とか。これをバカバカしいと捉えるか、信仰の問題に発展させるのかは人それぞれだと思う。だけど、そう、僕にとっては宗教も、ある種の「陰謀論」の枠として認識しているのかも知れない。そう思う。

まあとにかく僕は、これからじっくり回を重ね、数々の「陰謀論」を考察していきたいと思っている。「お前はホント暇人やね」と言われそうだが、「うん、そうなんよ」ということなのだ。少なくとも「陰謀論」を考察するくらいの時間はある。それを出力する能力は不足してはいるけれど。

ちなみに、有名な陰謀論のごく一部を挙げていくと、「ユダヤ陰謀論」「 新世界秩序陰謀論」「財閥陰謀論」がある。ある「陰謀一覧表」には、「創価学会および在日朝鮮韓国人にまつわる陰謀説」や「世界統一政府陰謀説」、「アポロ計画陰謀論」とか。

「地震兵器」や「気象兵器」といった眉唾ものもある。いや、眉唾ものこそ、この陰謀論界において価値が高い。「遺伝子組み合わせ陰謀説」や「世界大恐慌陰謀説」、「天皇すり替え説」「ナチス陰謀論」などなど。

もし僕が何かをこのどーしよーもないブログで暴いたとする。すると僕はある組織に命を狙われることになるかも知れない。だからこれは非常に危険な考察になる。なんてことを考えていくわけで、もはや「陰謀論」がまずいのか、「考察する脳ミソ」がまずいのか分からなくなる。

これもドラマや映画と同じ楽しみ方。妄想力。なんてことを書いているこのブログも、何かの組織の宣伝活動、捏造活動かも知れない。うん。そうすると僕は、何らかの組織のエージェントなり会員なり信者ということになる。真実は全て隠されている。

◇おしまい